2022-01-01から1年間の記事一覧
絞りを習い始めたばかりのころのお話です。早く出来るようになりたくて、絞りの糸を何回くらい巻くといい絞りになるのか?絞り上げる糸の強さはどれくらいがいいのか?とたくさん質問をしました。音楽のボリュームを変えるつまみのように、自分の絞りの調子…
絞りに使う糸を探している。 絞るときは糸を強く引っ張るために力がかかる。強度が必要だから絞り専用の糸が存在しており染色材料の専門店で買える。私は絞り専用の糸はいまのところ使っていない。修行していたときは糸と布だけは支給されていたのでそのとき…
もうひと月もしないうち、今年の1年が終わります。皆さんにとってはどんな年でしたでしょうか? 今年の夏くらいから短い文章を月数回アップしていました。もともとは制作した感想をまとめる長文ブログでした。短い日記のような文章は「書くと元気になる」と…
絞りを習ったころによく言われたのが「ギャザーを寄せる」ということで、糸で縫った布をさあ絞り上げるぞという前に、ギャザーを寄せておく。それがどの技法でも私の絞りの必須の作業になっている。 布を縫って糸を縮めると、とても綺麗な布の形ができる。ギ…
布について思いをめぐらせる。布というのは不思議な存在感で、雨に濡れた道路に落として踏まれて一旦気付かれないほどになったとしても、その気になって洗って乾かせばよみがえってまた使える。布は水を通し、風を通す。ガラス板はそれらを通さない。 布はあ…
辻が花染めは私にとって縁遠いものだと思っていたのだけど、染色を(とくにその歴史についてを)勉強したい気持ちがあるために無視は出来ない。辻が花染めは「幻の染め」とも呼ばれるほど、今ではほんの一部をのぞいては作られていないようだ。そもそも日本…
絞り染めは最古の染色技法のひとつで、江戸時代に友禅染めが発明されるまでは、ちょっと信じられないことですが、後染めである模様染めの一番よい作り方が絞り染めだったんです。そしてだいたい同じ頃に注染(※手ぬぐいの効率的な染め方で現在は伝統工芸とし…
先に結論を言うと「継続記事の続きを書きたい。下書きは一通りしているけど、加筆にもう少し時間がかかる」というお話です。今日はもう、これ以上の内容はありません。すみません。 このブログは絞りを始めて1年間程が経ち、絞りと染めのモチベーションを下…
自作したしぼり染めが、すこしずつではあるけれど溜まってきた。最初に自分の布を染めて大きな透明な衣装ケースに保管し始めたのが4年前で、それが今は半分くらい埋まっている状態になった。自分や子どもが使っている布もある。学校にかよっているわけではな…
化学染料は合成染料とも呼ばれ、2つはほぼ同じ意味です。ほぼという留保をつけたのは自分の知識に自信がないのと「じゃあ何で2つの名前があるんだろう」という疑問からとです。 藍染めをはじめとする天然染料(草木染め)に対して、人工的に作られた染料は…
縞模様に着目して色々試行錯誤していたら、「杢目(もくめ)しぼり」という技法を自然とやってみることになった。ちょうど木目のような模様になるからそういう名前がついたのかなと思う。この間直線を縫って縞模様のしぼりををつくっていた。線同士が5ミリ…
色について気になってしまうようになった。この間、染め物と関係がないと思って見ていた言語学のYouTuberが「数と色は共通している」と言ったのを聞いて、耳が過剰に反応した。2年くらい前に読んだ『ヨーロッパの装飾と文様』(海野弘 著)の始まりの「装飾 …
このブログでは、化学染料と草木染めのそれぞれの色の違いにかんするお話をよくしています。今の社会では、草木染めの色は貴重な良いもので、やや敷居の高いものというイメージを持って扱われているように思います。一方、化学染料はコスト的に安いが、あり…
一昨日染めた絞りを解いたら失敗していました。私が絞りを染めるときの分かりやすい失敗は、大きく分けて2種類あります。かたく留めたと思っていた絞りの糸が染めている途中で解けてきてしまうタイプと、布と布が重なって思わぬ防染をしてしまうタイプです。…
「草木染めの色と、化学染料の色は何が違うのか」という問いがこのブログによく出てくるようになりました。自分で感じる以外に、その違いについて著している人の意見が気になります。これまで読んだ資料から引用して何か書いてみる試みの2回目です。 今回は…
時々は、技法を布にうつすようなことをしている。技法というものは、そのままでは大雨の中に立っているみたいなものだと思う。漠然とした雨の模様にうたれるような感覚だ。 「どういうこと?」と思われるかもしれないのだけど、昨日も技法をそのまま布にうつ…
今日は、織りの話から始める。日本手ぬぐいの生地に使われるさらし木綿が好きである。さらっと清潔に使えて気持ちがいい。文(ぶん)という規格のものは20番の糸で織られている。 この生地は色素の吸着が早いのだろうか、とても染まりやすい。今日はもう結論…
3年ほど前に作った細かい模様のしぼり染め手ぬぐいを自分で使っている。色はブルーグリーンなので初夏から夏の終わりにかけて外出するときに持っていった。これは色落ちのほとんどしない「スレン」という化学染料で染めたもので、同じ染め色のハンカチを幼稚…
今年の5月に思い立って、しぼり染めの試作生地を使ってなにかできないかな?ということを考えて栞を作ることにした。7月に8枚作り、2回目の今回は3枚だけ作れた。 私の栞は布を貼った紙をカットするので布用のハサミでは駄目で、紙が切れる一般的な工作用の…
縞模様と水玉模様を絞りの技法で初めてやってみたとき、どちらも元の模様のイメージとはだいぶ違うものになって面白かった。まっすぐな線も絞りの連続になり、水玉模様のひとつひとつは鹿の子絞りでつくった。 縞模様は、その模様のもつ特徴、歴史的に広まる…
染め物をやっているのだから、布の染め色についてはこれからは一生懸命考えなければならないと思います。でも染めたものを見て「うーん」とか唸っていても特に何も起きず、出るのは「なかなかいいね」か「これはダメだね」という感想くらいです。実物を見な…
こんにちは。しぼり染めの色見本を作ったのでそれを時々眺めています。そのなかで感じたことを書いてみましょう。まず、小さくカットすると色が変わってみえます。素材になった大きな布よりも、光を反射する面積がぐっと減るからかもしれませんが詳しくはわ…
3年以上前に、『しぼり染め色見本をつくったら良さそうですね』と言ってもらって、その時はまだ染色を始めたてだったけど、そのうち染め色としぼりの部分両方を見本にしてみるのはいいかもと思っていた。今年6月にやりだして、ひと月以上かけて少しずつま…
文様・模様とは、雨模様や心模様などという捉えにくいものまで図として整理したアイディアのことではないだろうか。染色作家の柚木沙弥郎さんは「模様とは絵を煎じ詰めたもの」だと言っている。確かに絵にしてから文様・模様になっていくということもあるし…
絞り染めというのは、既に織られた布地にたいし、一部または全体に強い圧力をかけることで何らかの模様を作る。白洲正子の書いた文章の中に「良い布を織る織物作家は多いが、布を用いて模様染めをしたものには良いものは少ない」ということが書いてある。3…
しぼり作業はひとりでやっている。染め物と違って、たいていは一度でやり終わる量ではないことが多いので、もう少しいけるか・つかれたからやめるか・音楽をかけてもう少し続けてみるか・などの状況がある。そして孤独に耐えられなくなることがある。 今年の…
ここのところ、しぼり染めの布で色見本をつくりながら使えるものがほしくなってきて栞をつくり、そのまた残りの小さな端ぎれ、というか小さければ1センチ角程度の端材が出る。それをシールにしてみている。丸、楕円、四角、亀の甲羅のような六角形などの小さ…
先日から過去に染めた絞りの布を栞にしていた、その後日談。なかなか良い感じに出来たのでSNSで「欲しい方がいらっしゃったら、また作ります」と募集をしてみたら、ひとりの女性から「欲しいです」とメッセージをいただいた。きれいなものを愛する読書家のす…
昨日の続きです。私が初めて挑戦した草木染めの黒豆の皮の色素には、アントシアニンが含まれています。アントシアニンは、秋に葉っぱが紅葉するときにつくられる赤い色素でもあります。緑の葉にはクロロフィルという色素が含まれており、葉緑素が光合成をし…
2年ほど前のこと、植物の色を用いて染織作品を作る人の言葉を読んでいました。その本には"植物の命と、自分の命が合わさる" ということがないと、植物の色は染められない、とありました。 しかし玉ねぎの皮や茜の根、黒豆の種子、お茶の葉など、草木染めの染…