令和4年8月12日(金)残暑によせて、絞り染めは装飾の手段

絞り染めというのは、既に織られた布地にたいし、一部または全体に強い圧力をかけることで何らかの模様を作る。白洲正子の書いた文章の中に「良い布を織る織物作家は多いが、布を用いて模様染めをしたものには良いものは少ない」ということが書いてある。3年前くらいに読んで、なんとなくだが、なるほどそうか〜、と思った記憶がある。中には素晴らしい染めものを作りだす人間もいて…という文章も続きに書かれているのだけど、その前段のほうが心に残っている。先に糸に色を染めて(先染めという)織ることは物を作っていることで、絞り染めの場合は、創作の範疇ではあるのだけれども、布(物)に装飾を施すもので、布をいちから創り出す方法ではない。今、私は以下のように思っている。白い布を作ってくれている人に敬意をもつこと。そして、なるべく美しい模様を作ること。反対のことを言うようだけど、無駄にすることもたくさんあること。そしてどんなに美しいと思うのができたとしても、布を汚していることとの差は案外曖昧なんだろう、ということ。

 

他のことで手が塞がっていたり、食べたり、眠ったりするとブログが増え、そうでないと制作が進む。頭だけでも、染めものやきれいなもののことを考えたりして、すごしている。夏野菜は切るだけ、焼くだけ蒸すだけで美味しいなと思う。暑さはもうしばらく続くけれど、ご安全に過ごされますよう。