草木染め(天然染料)

不安定な色彩

こんにちは。草木染めと合成(化学)染料の両方を染めています。世の中には色々な草木染めと合成染料の染め物があって、ここでお話するのは私が実際に染めている範囲のもののことです。

色に関する引用⑤千葉雅也「オーバーヒート」と山崎斌「草木染」

草木染めの色が美しいなと自分で思うとともに、染色の世界でも、その何とも言えない味わい深い色あいが珍重されています。 そういう価値観はいったいどこから来るのでしょうか。 「草木染めの色は美しいけれど、そういう色が人間の目にどのような感じを与え…

【雑談】どこまで気にする?堅牢度

こんにちは。今日は雑談をします。 いつも雑談っぽいブログでは?と思った人は、よく読んでくれててありがと!これまでずっと、色持ちの良い染め物を心がけてきました。 色を持たせるためには、使用する染料をどれにするかということや、染め方の工夫を考え…

なぜ草木染めの色に親しみを覚えるのか【後編】植物の生命とは?

こんにちは。前回の記事の続きです。 shiborizomeko.hateblo.jp

なぜ草木染めの色に親しみを覚えるのか【前編】(そして、透明感について)

今日書こうと思うお話は、私の思い込みの可能性だってかなりあるんですが、まずはお話してみます。色の話です。

草木染めは、色の先生

こんにちは、最近草木染めをしていて思うことをユルユルと雑記風に書いてみます。

令和6年2月15日『草木染』山崎斌著[概要と感想]

今回は、古い本の読書記録です。 去年の秋に『草木染』(山崎斌著)を、秋田の温泉宿に宿泊しながら読み進め、最近やっと1冊最後まで読み終わりました。ちょっと長いのですが一回で載せますね。

令和5年12月16日(土)私なりの染料とのつきあい方

(今回はぐるぐるした螺旋のような文章になるのですがご了承下さい) ここ2ヶ月くらいの間に天然染料(草木染め)で染めたことが何度かあった中で、なんといったらいいか、化学染料の染色では出会いにくい色の良さを改めて感じた。「化学染料と草木染めのど…

令和5年11月26日(日)しぼりぞめこ風・黒豆染め

こんにちは。私のしている「黒豆染め」を紹介します。と言ってもまだまだ染色は初心者で、やり方を紹介するレベルに至っていませんが。まあ、ごく簡単に。「草木染めってどんな感じかなぁ」と思う方は、ひとつの例として読んでみてくださいね。

令和5年11月22日(水)山崎和樹著『草木染 四季の自然を染める』より染料の分類を引用/食べ物で染めるということ

一口に草木染めと言ってもいろいろな染料があって、私の場合「染料店で買う」「採取してくる」「食べ物を使う」という3つに分けて考えていますよ、という内容の記事を前回書きました。令和5年11月12日(日)さまざまな草木染 - しぼりぞめこの制作日記

令和5年11月12日(日)さまざまな草木染

こんにちは。最近黒豆の茹で汁で絞り布を染めています。 草木染めの染料には色がたくさん出て染まりやすいものから、そこまででないものまであります。もちろん、合成染料(化学染料)にもさまざまなタイプがありますが、染色という人類の目的のために開発さ…

令和5年9月12日(火)黒豆と錆びた鉄釘、色素と媒染

こんにちは。前回の黒豆と錆び釘のお話の続きです。草木染めの染色における、媒染とは何でしょうか。染料の色素をよく発色させるためと、煮出した色素と布の繊維分子とをしっかり結合させるためなんですって。 大まかな説明はそれで済んでしまいますが実感と…

令和5年9月5日(火)染色のために長期間用意していた錆び釘――それはもう放置――を黒豆煮に使いました

最近、草木染めをやっていないのです。化学染料の色作り研究をしていて染色がまあまあコンスタントに出来ているので、当面はそれでもいいのですが、草木染めの本を読んだりしながら、時々考えてはいるのです。 草木染めでは染料の他に媒染剤を使います。はじ…

令和5年8月25日(金)ブログへの反応、山崎斌

こんにちは。前回の記事に関して染色家のから、共感できたよ!というコメントをいただきました。そういう反応はうれしいですね。私の文章は「染色モヤモヤ」といったような内容だったのですが、似たようなことを感じながらたくさん染めていらっしゃるそうで…

令和5年7月27日(木)色から視覚的要素を除くと、のこりは何だろう

染色を始めてからもうそろそろ5年になる、絞りを自分で染めるなら天然染料と化学染料のどちらがいいのかというのを、作りながら使いながら、その色の違いについてぐずぐずと考えてきた。 作るものが何なのかによって用途を考え、同じ染料でも選んだ布の素材…

令和5年2月25日(土)寝て起きたような染め色

最近、自作の草木染めの布の色がきれいに経年変化したのでとても驚きました。それは3年前に茜で染めた桃色の木綿のしぼりの布です。毎年春だけ壁に飾り、またしばらくの間箱にしまってありました。染めて水通ししたあとは洗濯をしていません。 去年の春に出…

令和5年1月26日(木)色に関しての引用③〈柳宗悦〉

これまで読んだ資料の中から、色についての文章を選び紹介するシリーズの3回目です。前回は昨年9月29日でした。久しぶりです。今回引用するのは柳宗悦の「手仕事の日本」という本からです。 私が絞りを習い、自分で染めるようになった4年前頃に初めて読んで…

令和4年10月13日(木)デジタル、アナログ、染めもの

このブログでは、化学染料と草木染めのそれぞれの色の違いにかんするお話をよくしています。今の社会では、草木染めの色は貴重な良いもので、やや敷居の高いものというイメージを持って扱われているように思います。一方、化学染料はコスト的に安いが、あり…

令和4年9月1日(土)色に関しての引用〈白洲正子〉①

染め物をやっているのだから、布の染め色についてはこれからは一生懸命考えなければならないと思います。でも染めたものを見て「うーん」とか唸っていても特に何も起きず、出るのは「なかなかいいね」か「これはダメだね」という感想くらいです。実物を見な…

令和4年7月15日(金)植物の命とは?〈後〉

昨日の続きです。私が初めて挑戦した草木染めの黒豆の皮の色素には、アントシアニンが含まれています。アントシアニンは、秋に葉っぱが紅葉するときにつくられる赤い色素でもあります。緑の葉にはクロロフィルという色素が含まれており、葉緑素が光合成をし…

令和4年7月14日(木)植物の命とは?〈前〉

2年ほど前のこと、植物の色を用いて染織作品を作る人の言葉を読んでいました。その本には"植物の命と、自分の命が合わさる" ということがないと、植物の色は染められない、とありました。 しかし玉ねぎの皮や茜の根、黒豆の種子、お茶の葉など、草木染めの染…

初めての絞り染め(黒豆染め)④リベンジした結果

2018年6月、手探りで染色を始めたばかりでした。 草木染めの絞りにしたかったので、地元の岩手の黒豆で染めてみることにしたのですが、絞り模様の中にまで色が染み込んで失敗してしまいました。(絞りが泣く、というそうです) 7月2日 失敗のままでは落ち着…

初めての絞り染め(黒豆染め)③濃く染まらない・絞りに染料が入り込む

また前回の続きです。染めた絞りをほどいてみたところです。 2018年6月22日 絞りを施したさらし木綿の布を、黒豆染めにしてみました。身近な材料で、絞りの出来がはっきり解るような濃い紫色に染めたかったのです。 結論から言うと、絞り染めは失敗でした。…

初めての絞り染め(黒豆染め)②木綿を濃く染めるための呉汁のこと

前回の続きです。絞りは出来るけれど、染めは未経験状態だった時点を振り返って書いています。 2018年6月22日 絞り染めする布は、さらし木綿を使うことにしました。少し前に刺し子のふきんを縫うのにたくさん買った残りがあったし、ガーゼ地は染まりやすいそ…

初めての絞り染め(黒豆染め)①染料選び

2018年6月 初めての染色に挑戦しました。 その1年ほど前から絞りのやりかたを習っていたので、絞った布を自分でも染めてみたいと考えたのです。 手芸屋などで染め粉を買って来れば染め物はできるだろうと思ったけれど、絞りを習った着物屋さんは植物の色を使…