令和5年11月12日(日)さまざまな草木染

こんにちは。最近黒豆の茹で汁で絞り布を染めています。

草木染めの染料には色がたくさん出て染まりやすいものから、そこまででないものまであります。もちろん、合成染料(化学染料)にもさまざまなタイプがありますが、染色という人類の目的のために開発されたものと、植物が都合よく生きるためにつくられた色素を利用させてもらう草木染とは、当然かなり違うものになっています。何が違って、何が同じなのかを考えていきたいと思います。

この間「イチョウの葉を煮出すと黄色が染まる」と箕輪直子さん(染織家)のブログで読みました。早速拾いに行って実行してみましたが、欲張って長時間煮出しているうちに茶色に変色してしまいました。説明書のない草木染めには予測のつかないことが多いです。

私は草木染めの手法を、主に山崎青樹・和樹親子の草木染めの本を参考にしています。草木染めの色素の定着には時間がかかります(自然酸化による定着)。染色するごとに1ヶ月とかの期間寝かせながら、だんだんに重ね染めする場合もあるそうです。

私が絞りを初めて染めたのは、好きで手元にあった黒豆で染めたのが始まりです。よーく時間をかけて煮出し、鍋に濃い色水が出たほうが良いと思って頑張りました。しかし染まった布はとても薄い色でした。どんなに色素が水に溶け出しても、その色分子が布の繊維分子と結びつかなければ染まらないのだということを理解していなかったのです。

次に玉ねぎの皮を貯めて煮出して染めました。今度は黒豆よりもうまくいきましたが、この色でいいのかな?とやや色合いに自信がもてない色でした。

次に染料店で購入したインド茜です。これはすごく染まりやすく美しい赤やピンクがたくさん染まりました。茜(あかね)という植物の根を乾燥させたもので、正倉院宝物の布にも使われていると言われているほど古くから、染料として役立ってきた植物です。土が落ちきってないので、煮出す前に一度は茹でこぼすようにして土を落とすといいです。

 

そんな経験から、天然染料(草木染め)を3つのグループに分けて捉えたほうがよいのではないかな、と考えています。

1、染料店で扱いのある染料を購入【スクモ、茜、蘇芳、紫根、ログウッドなどが代表的】

2、身の回りの植物を採取【ススキ、ドングリ、落ち葉、他、数えきれず】

3、キッチンで扱う食べ物【玉ねぎの皮、黒豆、小豆、果物の皮、お茶類など】

3の食べ物の染色について、山崎和樹さんの草木染の本に「食べ物を安易に染色に利用しないようにしています」とサラリと書かれていた文章がずっと心に引っかかっています。

そのことについては、次回書きます。今回もお読み頂き、ありがとうございました。