令和4年6月28日(火)【歴史】化学染料と天然染料の背景を知りたい

布に色を染める。全てが天然染料だった時代から、化学染料が開発されて、ほとんどの布が化学染料で染められるようになる時代までの歴史的な流れを自分なりにでいいから整理したいと思う。ずっとそう思っているのにできていないので、今日は理解していることだけダーッと書くので読みづらい。

まず、天然染料は植物や貝などの動物を材料とした染料であり、古来より染色に使われ、草木染めと呼ばれている。化学染料は化学的に合成して人為的に作られた染料で、合成染料ともいう。

化学染料がヨーロッパで作られ始め、日本は化学染料を輸入した。ひとたび戦争になると染料が入ってこなくなった。その時に再び天然染料の染色が重要視されて、国をあげて草木染を再興するという期間があったりして、明治〜大正時代の日本は染料使用の変化が激しい時代だ。

天然染料の染色の技は奈良時代にピークを迎えたと言われており、昭和時代に天然染料の染色に尽力した山崎青樹、染司よしおかの吉岡常雄らによって奈良時代の染め色が再現された。

天然染料は木綿に染まりつきにくく、絹やウールには染まりやすいメカニズムをしている。日本で木綿の栽培が成功し、木綿紡績が盛んになった明治後期〜大正〜昭和時代初期にちょうど化学染料が大きく発展したということは面白い。着物がすたれ、衣服がほぼ洋服になったのもこの頃で化学染料と木綿と洋装という3つが回転しながらひとつにまとまり、急速な変化を日本人の生活にあたえたという感じに思っている。

最近麻の服が増えているが、麻も木綿と同じく天然染料では染まりづらい。大まかにいえば植物性と動物性の違いのためである。しかし、天然染料の中で藍染めだけは絹よりも麻や木綿に染まりつきやすいので、藍染めが日本の天然染料の染め物の中では大変注目されやすいのもその理由が大きい。染料と繊維の相性というものがある。

化学染料の輸入、草木染の伝統技術としての再興、木綿の普及、化学染料の普及、藍染めと草木染の価値の上昇。以上についてひとつでも興味を持っている人とお話したいなと思っている。