2020-01-01から1年間の記事一覧

令和3年8月23日(月)

また前回からの続き。美術や音楽の中に理数系的な要素が隠れているのだと最近意識するようになってきた。もののデザインや楽曲の拍子などの構造部分。そういえば市内の建物で、コンピューターソフトを使ってつくる美しい折り紙の展示を見たばかりだ。この世…

令和3年8月22日(日)

前回からの続き。絞りを初めて最初に幾何学模様をひたすら絞ったことから幾何学についての勉強を1ミリずつしている。幾何学の本に紹介されている図形には美しいものが随分ある。数学的な法則に従って平面をに埋め尽くされる模様は、雪の結晶や、指輪の石がカ…

令和3年8月15日(日)

四年前、絞りを習い初めた当初は何をしていたか。幾何学模様の連続パターンを渡され、それをひたすら絞り続けた。三角や円などの図形を組み合わせたり削ったりした形を何百も。布をびっしり埋め尽くす模様を見つめながら縫い、絞り続けた。三年前からは絞り…

令和3年7月24日(土)

茜の染料を買って木綿や麻や絹を染めてみたら、どの布にもすごく染まりつきがいいので気に入った。ミョウバン媒染では明るい色相に染まるからかわいい赤になる。茜の染料は根なので何度か煮出すことが出来て、昔おばあちゃんにお茶を淹れさせられた時のこと…

令和3年7月23日(金)

3年前までは染め物に疎かった。草木染めに興味をもってから間もなく、天然染料の色素は木綿には染まりにくく絹に染まりやすいということを知って、不思議だった(※例外あり)。絹よりも圧倒的に木綿のほうが扱い慣れているから木綿に染めたかったのに、勝手…

令和3年7月22日(木)

絞り染めは、縫いとめたり縛ったりして布に圧力をかけるので染まるところと染まらないところの境界線が曖昧になり輪郭がぼやけグレーゾーンができる。京都の鹿の子絞りはごく小さな面積をつまみ糸できつく縛るからかなりはっきりした線が出るが、出来上がり…

令和3年7月21日(水)

平安時代は絞りの価値が低かったらしく、それを本で読んだ瞬間ちょっと悲しかった。しかし、清少納言は枕草子のなかで絞りの染め上がりが楽しみだという内容を書いている。どうも気になってしまって平安〜江戸時代の絞り染めを調べた。平安時代、絞り染めは…

令和3年7月20日(火)

興味のあることをみつけたらその歴史を調べると良い、ということを今更ながら実感しつつある。絞り染めが古代から今にいたるまでどのような変化をとげて来たのかを把握するには非常に大きな時の流れを見る必要がある。絞りの価値は上がったり下がったりして…

令和3年7月17日(土)

枕草子には絞り染めが登場する。「早く知りたいもの」について書かれた段である。ちょっとしたものを頼んで染めてもらい、仕上がってくるのを楽しみにして待っている様子。宮廷の女性たちで装いの感覚を張り合っていたようなことも、もしかするとあっただろ…

令和3年7月15日(木)

絞り染めについての本を書いたデザイナーを発見してから2年くらい、うれしくなっている。三越の広告やPR紙の表紙絵など大量の仕事をのこした杉浦非水(1876〜1965)のことである。同時代の竹久夢二作品ほど抒情的ではないが自然物の丹念な観察をもとにした美…

令和3年7月7日(水)

せんじつ藍の型染め展に6ヶ月を迎えた赤んぼうを抱いて行った。新作の浴衣の反物、弁慶縞の柄が目をひいた。弁慶縞とは大きなチェック(格子)柄のことだが少し見入ってふと、型染めでどうやって染めるのだろうと考えた。聞けば片方の向きの縞を防染糊をのせ…

令和3年7月4日(日)

いちばん長くて3か月近くかかる絞りをしたことがある。絞りをすること、それは姿の見えないことだ。白い布は糸であちこち圧力をかけられ絞りあげられ、長い時間をかけてツノまみれのような塊が出来上がる。完成の姿とは全く違う見た目のをいったん作り上げる…

令和3年7月2日(金)

絞り染めは伝統工芸というくくりで扱われることが多いが、伝統工芸という言葉のもつ力の及ぼす力が良くも悪くも大きいことには注意をしていたい。私も伝統工芸に近い世界で絞りを身につけたけれども、伝統工芸というなかまに入れられた瞬間から、その世界の…

令和3年7月1日(木)

ここは、避難所だ。SNS以外の場所で考えたり書いたりしたくなったら来る。考えれば書く。書くことでまた考える。インターネットなので閉じてはいないしコメントをつけることも可能だ(めったにつかない)。ある程度の分量の記事を書くのには時間がかかり、日…

令和3年6月27日(日)

こんなブログをやってはいるけれど「しぼり染めの魅力を伝えよう」みたいなことはあまり考えてない。たまに頑張って書いたところでブログ程度でほんとうに魅力が伝わるということはないし。じゃあ何のためにやっているの?それを全て一言で説明はできない。…

令和3年6月24日(木)

染色をするようになったのは1人目の子どもが産まれてしばらくしてからで、洗濯の回数が多くなってきた頃でもあった。乳幼児の服はどんどん汚れ、よだれやミルクの染みは落ちたと思っても乾くとうす黄色くなる。子供がまとわりついて自分の服の染みも気にな…

令和3年6月23日(水)

草木染めで染めているときは化学染料で染めている時とくらべて気分が良い。気分などというと曖昧なようだが全く違う体験に感じる。料理で使った玉ねぎの皮で金茶に染める。染料店で買った茜の根で赤く染める。化学染料が基本的には水(お湯)に溶かして使う…

令和3年6月22日(火)

染め物はキッチンで気軽に始められる。身近な野菜の皮、豆、麦茶の出し殻などで染まるし菜箸、鍋、ボウルも染め色に影響がある鉄や銅を避ければ料理用のものでじゅうぶん(ステンレスが使いやすい)。媒染剤は漬物用のミョウバンで。キッチンの機能を拡張し…

令和3年6月21日(月)

「草木染め(天然染料)は地球環境にも人にも優しいという噂」について言及された書籍がある。『天然染料の科学』青木正明著。草木染めについて科学的に分析・解説していて草木染めをはじめてから大変参考にしている。地球環境に優しいかどうかはその染色の…

令和3年6月20日(日)

NHKラジオで志村ふくみさんのインタビューを聴き、なかでもとりわけ関心を寄せてメモしたのが「自然から恵まれたものを誠実に自分の仕事をすることでお返しをしたい」という意味のことを仰っていた部分だ。文字で正確におこしたわけではないのでここで伝える…

令和3年6月19日(土)

天然染料と化学染料、どちらも染めている。今回は天然の染色は地球環境に優しいのかどうか、ということについて他人は置いておいて自分の染色の場合で考えてみたい。水はごく一般の上下水道システム、火はプロパンガスを利用している。「田舎で畑をもち、煮…

令和3年6月17日(木)

「草木染め」という言葉は、多くの布が化学染料によって染められていることに対して差別化する創作手段であり表現手段、活動やスタンスをさす言葉として使われている。元々は個人(山崎斌)が付けた名であり一時期は商標登録された(昭和7年〜)が後に放棄さ…

令和3年6月16日(水)

物販のお仕事をしてみたかったという理由で、週2回だけ小さなハンカチ店で働いていたことがあります。急な事情で閉店してしまったので、もう存在しないお店のお話です。駅からは離れているけれどバスターミナルからは近くて、置いているハンカチのチョイスも…

令和3年6月15日(火)

「庭の花」という絞りをデザインした。横幅が37〜38センチの小幅木綿用の連続模様だ。絞り特有の優しい風合いを用いて庭に咲く花々をイメージし、文様化したものである。一時期、家からあまり出られなかったときにTwitterの「庭の花」というタグが大好きで、…

令和3年6月13日(日)

2年前、片野元彦(1899-1975)の絞り染め展を観た。その時は片野氏の存在すら知らず「絞り染めの大きな展示というのはそう無いからきっと重要。是非行っておこう」と新幹線に乗って向かった。元々は絵画の人で岸田劉生に師事、生活の為に染色の仕事をしてい…

令和3年6月12日(土)

草木染めの色の良さは本質的に何なのだろう。色が優しいとか柔らかい色味だとかよく聞くのも、けして間違いではないけれど。染織家の志村ふくみさんや、草木染めの名付け親の(そして継承者の)山崎家の方々が文章で表す草木染めを読むことが一番だとは思っ…

令和3年6月9日(水)

こんにちは。どんな色でしぼりを染めようか考えるとき、染料の性質の比較をします。色よく染めることのほかに私が重視するのは「堅牢度」です。染めものは洗濯や日光にあたることによって色の変化があるのが普通ですが、その色持ちがいったいどれくらい丈夫…

令和3年6月7日(月)

こんにちは。久しぶりにしぼり染めの「染め」の部分の工程をすることができて嬉しいな。工程は意外と多くて模様デザイン、絞り作業、染め作業、糸解き、水洗い(水元)、アイロン(湯のし)。自分の体調や、取りやすい制作時間と時間帯、そして気分によって…

令和3年6月6日(日)

誰かに手紙を書くように短い日記を書いています。しぼり染めという表現方法にもっと早く出会えたら良かったのに…と、そう思うことも珍しくないけれどやっぱり、しぼり染めが私を見つけてくれたのだという気がするので、あの時期に出会えたことが幸せなんだよ…

令和3年6月5日(土)

しぼりを染める。化学染料を使うか天然染料を使うか、いつだってフラフラと迷っています。天然染料での染色は「草木染め」と呼んでいて、藍染めも本来は天然ですが建て方によって様々な違いがあるから独立して認識します。1年くらいしたら天然か化学かのどち…