令和3年7月7日(水)

せんじつ藍の型染め展に6ヶ月を迎えた赤んぼうを抱いて行った。新作の浴衣の反物、弁慶縞の柄が目をひいた。弁慶縞とは大きなチェック(格子)柄のことだが少し見入ってふと、型染めでどうやって染めるのだろうと考えた。聞けば片方の向きの縞を防染糊をのせて染めたら糊を落とし、もう片方の向きの縞も同じことをして染めるという。布の裏にも染める。正藍染めは発酵の力を利用するため、何度も染液に漬けないと濃い青に染まらない。しかも絞りと違って防染糊を使うので糊が溶ける前に染液から出す注意もいる。何度も染めた青色は梅雨の晴れ間の明るい自然光をうけて活力を感じた。冬も同じ作者の展示を見たが、その時はもっと静かな色に感じたからそれも聞くと、やはり季節の光の違いによって色の印象が変わるという。夏の色はきれい、でも冬があるから夏が来てくれるわけだし…とつい私は言った。すると「冬がなければ春も来ないし、新しいいのちも冬がなくては産まれません」と仰り、赤んぼうを見てにっこりと笑ってくれた。