すっかり暖かくなって、次の季節が始まった。
さらっとした木綿が恋しくなり、そのうちシャリっとした冷たい麻に会いたくなる。
布って、近すぎて、肌に。
ガラス細工、金属や石の装飾品にくらべて
華がない存在かもしれないな。
話にのぼりづらいというか。
だけど、生きていると汗をかく。
汗にも楽しい汗から、ヒヤリとする嫌な汗がある。
それで、ふと、涙を流す。
涙を流すことは大人になるほど、ひとりのときが多い。
大人になっても人前で泣くことがそんなに違和感がない場合って何だろう…映画を観たりする時くらいだろうか。
わたしは、昔から泣くために映画やドラマを観ることに抵抗がある。
観たいな、興味があるな、と思って観た物語によって
涙のような、出て来たがってる想いが、肉体のなかに溜まる。
溜まったものが、ぼんやりと水面をみているようなときに勝手に出てくる。
それがいちばん、落ち着く涙の流し方だ。
タイムラグ
ひとが作れるもののなかには、木製品や金属製品、プラスチック製品など
いろんな素材がある。
そのなかで布は、ひとの身体から出る涙や汗を受け止める珍しい素材だ。
え?ティッシュがあるじゃないですか。
それはそうですね。
でも、ひとの身体を包めるほどの柔らかな紙製のものってないと思うんですよね。柔らかい大きな紙は破れちゃうから。
心の動きとともに排出される水分を含んで受け止める。
身体ごと、包まれることができる。
布が好きなんだなぁと思う。
さて!
梅雨があけたら、去年染めた長い布でも水通しして
晴れた日にベランダに干そう。
少しずつ、歩き出そうと思います。
みなさんも、可能なかぎり好きなことをやって
好きなように生きられたら。
布は、地味に応援していてくれる気がするんですよね。
あなたのお気に入りの布や服は、ありますか。
それは、どんなものですか。
それではまた次回。