【雑談】下手の長糸、中島みゆき、あなたとわたし

「下手の長糸」という、縫い物の不得手な人間へ向けた揶揄の言葉があります。
意味は「まったく、下手ほど長い糸を使いたがるよ。そうら、絡まった」みたいな意味で使われるみたいです。
下手の長糸、実際に言われたことはないですが、絞りを教わったときに「あまり糸を長くしなくていいよ〜」と言われていましたね。
あっ、同じことか。


わたしが絞りに使っているのは太めの手縫い糸で、カセで売っているもののほうがお安いのでそうしています。
「カセ」とは何か。
糸を運んだり売り買いする際に、長〜い糸を糸巻きに巻くのではなく、何重にも重なった大きな輪にしてからねじり合わせた状態を「カセ」といいます。
ねじれを開いて輪っかに戻してから使うのですが、正しい使い方があまりわからなくて、しばしば絡ませてしまうんですよね。

絞るために糸を用意するとき、いつも「これなら少し高くても最初から糸巻きに巻いた糸を買ったほうがよいかも?」思いながらカセと悪戦苦闘しています。
だっていっぱい使うんだもん。安いほうが助かるんです。
よく買いにいく手芸屋さんのご主人に、今度やり方を聞いてみようと思っています。


ここ数年、絞りでいろんなストライプを作っていました。
小紋の模様と違って、ストライプの布の長いのを絞ろうとすると、縫い糸はとても長くしないとなりません。
だから「下手でも長糸」ということになってしまうのです。

カセのままだと使いづらく、最悪の場合グチャグチャになってしまうので、カセを解いて糸巻きに巻くようにしたら、だいぶ使いやすくなりました。

そうやって作った糸巻きの糸から、絞りに使う糸を用意します。
ストライプを絞るための長い2本どりを何本も作ろうとして、同じ長さになるようにまとめてパタンパタンと折って、さて切ろうとしたら絡まりました。
効率よくいっぺんに糸をカットしようと思ったのに、ふたたびカセ状態になっていることに気づいたのです。
あまりにも愚かすぎる。


やっと切り離した1メートル半くらいの長い糸同士を近くにおいておくと、すぐに絡んでしまいます。
綿の繊維は撚り合わさりやすいからこそ、糸として加工するのには都合がよいのでしょうか?

なんだかそれは、近くに居すぎるとつい、余計なひとことを言ったりしてついつい喧嘩になる自分みたいだな、と思います。
「縦の糸はあなた/横の糸はわたし」(中島みゆき)なんていうけど、なかなかそう簡単に滑らかな織物になったりはしない、などと思ってしまいます。

暗い気持ち。もう少し縫ったら寝ます。
せめてストライプシリーズの記事のリンク張っときます(写真つき)。
令和5年7月8日(土)縞模様を絞る - しぼりぞめこの制作日記

また次回。