模様染めの技法のひとつ
布に模様を染めるためには、大きく分けて2つの方法があります。
1つは、手で直接模様を描いたり判子を押したりして染める方法です。
もう1つには、模様の形をマスキングしてから染める方法があります。絞り染めは、こちらのグループに含まれます。
具体的に、どんな技法があるのか
直接描く技法には、筆による手描き染めや、インドの判子染めであるブロックプリントがあります。
また、機械で模様をプリントすることもできます。
布をマスキングしてから染める代表的な技法には、ロウケツ染め・友禅染め・型染め・注染などがあります。
布に糊等を被せて染めると、そこが白く残り、色が染まりません。
圧力でマスキングする絞り染め
絞り染めは布を糊でふさぐのではなく、糸でくくったり、針を使って縫い締めたり、板で挟んだりします。
布に強い圧力がかかり、染めた時に色が入らず白く残る部分ができます。
それがそのまま、絞り染めの模様になるのです。
なぜ、絞り染めで模様をつくるのか
絞り染めで作った模様の輪郭線を「絞りの足」といいます。
白と地色がぶつかる境界の不均一さや、その息づかいのようなもの。
針と糸と手だけで絞るとき、手作業ならではのリズムが生まれ、時に即興性を挟み込めるような自由さと軽やかさがあります。
そうして絞り上げた布をたっぷりの染液に浸けて染めると、季節・タイミング・水・身体の動き・その他のあらゆる偶然性によって、1枚1枚が少しずつ違う出来上がりになります。
模様の輪郭の、じわっとした独特の優しさと深さが絞り染めの特徴であり、魅力であると言えます。
〈あとがき〉
今回は、いつも自分がしている「絞り染め」が、いったいどういうものなのか?ということを考えなおす目的で書きました。
こうして書いてみると、絞り染めという染め方を、引いた距離から眺めるということ・絞り染め自体に関する知識・絞り染めの魅力によく気づくことなどが、さらに必要な気がしました。
まだまだ力不足ということを感じつつ、第一歩の文章を書いたことはうれしいことでした。
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