また前回の続きです。染めた絞りをほどいてみたところです。
2018年6月22日
絞りを施したさらし木綿の布を、黒豆染めにしてみました。身近な材料で、絞りの出来がはっきり解るような濃い紫色に染めたかったのです。
結論から言うと、絞り染めは失敗でした。色は渋めのピンクに染まりましたが薄い色で、しかも白く残したかった部分にまで色が入ってしまいました。
色自体は草木染め特有のやさしい色味で悪くはなく、こんな色の帯揚げを染めたら使いやすそうだなとは思います。
しかしあまりにも模様が滲んでいます。とても残念でした。
奥が呉汁なし、手前が呉汁につけてから染めたほうです。奥はほんのり色がついてるかな?くらいに白っぽく、ほんとに木綿は草木染めに染まりづらいことと、そして呉汁の濃染効果を感じました。奥の白っぽいほうは模様は全く出ず、絞りのシワのほうが目立つくらい。
濃染処理をした手前のほうも、染めてすぐは濡れていてもう少し濃く見えましたが、乾かしてみたら薄くなっちゃいました。
大まかですが、この時の作業手順です。
- さらし木綿の布に絞りを施す
- 黒豆を水に浸けてから煮出して布で濾し染め液をつくる。合計4リットルくらい取れた
- 絞った布をしばらく水(湯)に浸ける
- 染め液を火にかけ、絞り布をなるべく液から出さずに中で泳がせながら染める
- 媒染。お湯に焼ミョウバンをとかした液に染めた布を浸けて時々動かし発色と色止めをする
- 水洗いする
- 再び染め液に入れて煮染め→媒染を4回繰り返し
- もう一度染液につけて、一晩くらいおく
絞りの布は小さなものだったので、染め液4リットルは多いかと思いましたが何度か煮染めして量が減ったので、結果的に多めで良かったです。染め液はかなり濃い色に見えましたが、だからといって濃く染まるものではないようです。
後で解るのですが絞り模様が出なかった原因は、8の工程がまずかった。
「絞りが泣く」という言葉があります。絞りとは布を糸などで圧力をかけて染料の入らない白い部分を作る(防染)ことで模様ができますが、せっかく防染した部分にも間違って染料が入り込んでしまい、模様のかたちが滲んだりしてしまうことを言うそうです。
なぜ一晩も浸けたか。
参考にした草木染めの本のなかに、よく染めたいときは染液が冷めるまで、できたら一晩くらいよく浸けておくほうがいいというアドバイスが出ていました。
しかし、それは無地の布やかせ糸を染める時のことだったようです。少しでも濃く染めて絞った模様をはっきり出そうと欲張ったのが裏目に出ました。
このとき絞り染めの本というのはまだ読んだことがなく、絞り染めの布の染め方を勉強しなければと思いました。
このあと黒豆染めのリベンジをしたので、次回はその事について書きます。
そうすれば黒豆染めのことはとりあえず完結なので、ちょっとしつこくなりますがご勘弁くださいね。
※参考にした本は
「キッチンでできる草木染め―身近な素材でわかりやすい染め方」 (レディブティックシリーズ)母袋信恵 著
この本には絞り染めのことはそんなに詳しく書かれていません。身近なもので草木染めをするやり方が色々書かれています。
まとめ
- 布は薄い色にしか染まらなかったが色は日本っぽいやさしいピンクでなかなかだった
- 染めたばかりで乾かしてないときは濃く見え、乾くと思ったより薄くなる
- 絞りの中に色が入り込み模様がつぶれた。無地の布や糸染めなら一晩くらい染め液に浸けておくのもアリだけど絞りの場合長時間浸けるのはNG