令和3年7月23日(金)

3年前までは染め物に疎かった。草木染めに興味をもってから間もなく、天然染料の色素は木綿には染まりにくく絹に染まりやすいということを知って、不思議だった(※例外あり)。絹よりも圧倒的に木綿のほうが扱い慣れているから木綿に染めたかったのに、勝手ながら不都合な話だなあとも感じていた。絹は洗濯機で洗うのに向いてなく、虫に食われやすく、汗水も吸いにくい。それでも絹の品よい光沢や、綿とは違うふんわりさも良い。木綿と絹の染色を続けるうち、絹繊維はタンパク質で綿繊維は炭水化物(セルロース)だということを意識していった。主成分が違うのだからその性質も全く違って当たり前だったのだ。スレン染料という化学染料は木綿が一度に濃く染まって色持ちがとてもいいので、私は草木染めの他にそちらも使っている。日本では明治時代、主に使われていた天然染料を押しのけて海外からの輸入によって化学染料の普及が急激に進んだ。明治時代〜大正時代の染料に関する歴史をもう少し深く知りたいと思っている。