令和3年6月9日(水)

こんにちは。どんな色でしぼりを染めようか考えるとき、染料の性質の比較をします。色よく染めることのほかに私が重視するのは「堅牢度」です。染めものは洗濯や日光にあたることによって色の変化があるのが普通ですが、その色持ちがいったいどれくらい丈夫なのかという度合いのことです。少し染色を学べば、様々な堅牢度の染料があることを知るはずです。染料の選択と染めるやり方で堅牢度は違ってきます。概ね、化学染料よりも天然染料の色のほうが移ろいやすいと言えます。特別に日光に弱い天然染料があるためなのか、天然染料(草木染め)の染めものを仕上げる際は一律に陰干しするほうがよいと書かれていることが多いです。しかし、草木染作家の山崎青樹さんは古代の優れた草木染めの染色を研究され、遺した著作のなかで天日に干す染め方を指南しています。天然染料だろうと、化学染料だろうと、色落ちや色褪せのしやすい場合はあります。実用性を高める染め方法の勉強を惜しまずに、うつくしい色という理想に少しずつ近づきたいです。