令和3年6月15日(火)

「庭の花」という絞りをデザインした。横幅が37〜38センチの小幅木綿用の連続模様だ。絞り特有の優しい風合いを用いて庭に咲く花々をイメージし、文様化したものである。一時期、家からあまり出られなかったときにTwitterの「庭の花」というタグが大好きで、そのタグにあつまってくるたくさんのお花の呟きを部屋でよく眺めた。その人や家族が丹精した花を、さらに本人目線で撮影しているからだろうか。愛でる心が存分に感じられて、ふさいだ気分も慰められる。その時に感じた気持ちを文様に込めようと思った。美しさとは曖昧なものだけれど、美しいと思って見つめる個々人の心にこそ存在するものなのかもしれない。見る人がいなくなれば美は消えるのかもしれない。そんな不確かなことを考えながら、絞り作業を続けている。