令和3年6月16日(水)

物販のお仕事をしてみたかったという理由で、週2回だけ小さなハンカチ店で働いていたことがあります。急な事情で閉店してしまったので、もう存在しないお店のお話です。駅からは離れているけれどバスターミナルからは近くて、置いているハンカチのチョイスも柔らかな無撚糸のハンカチ、サラッとしたリネンのハンカチ、真っ白の刺繍が全面にあるけれどふんわりした手触りのハンカチ、季節のてぬぐいなど、さり気ない主張を感じさせるものばかりでした。仕事では必要に応じお客がハンカチを選ぶお手伝いもします。男性が女性へ。中学生がお母さんへ。病気の人へお見舞いに。さまざまな布に触れた経験から、布の素材にも色々あることや、吸水性の高い布は速乾性も高いことなどを知りました。大切な相手が心細いときや涙を流している時にも、いつも手元や顔のそばで使ってもらうことのできるハンカチ。贈る側にとっても特別な思いがあるものなのかもしれません。