令和3年8月23日(月)

また前回からの続き。美術や音楽の中に理数系的な要素が隠れているのだと最近意識するようになってきた。もののデザインや楽曲の拍子などの構造部分。そういえば市内の建物で、コンピューターソフトを使ってつくる美しい折り紙の展示を見たばかりだ。この世界の空間と時間とを美しくうけとるために、幾何学は研究されているのではないかと思ってしまう。絞りの制作にも幾何学的な考えを借りてきてみたい。去年の春ごろ「シェルピンスキーのギャスケット」という三角形の相似によって作られる有名な幾何学の図形を試しに絞り染めにしてみたら、これまで距離のあった数学の世界へ私のほうから一歩近づいたみたいで嬉しくなった。出来上がった絞りの布は、概念をもった冷静な図形に絞りの手作業のゆらゆらした感じが加わるのが面白いなぁという印象がある。手作業で出力される概念。幾何学模様はもちろん「幾何学研究から生まれた図形を絞ってみる」という試みを緩やかに続けたいと思っている。