令和5年11月4日(土)少しずつ、やめていくこと

秋も深まりました。今回は「やり始める」ことではなく「少しずつやめていく」ことについて書きます。

やめたいことその1 天然染料VS化学染料という対立

天然染料と化学染料は全く違うもので、それは過去にブログにも書いていますし、その考えは変わりません。2年前の記事です↓

令和3年6月5日(土) - しぼりぞめこの制作日記

これまで「天然染料(草木染め)と化学染料(合成染料)どちらが良いのか?」という問いかたをしてきました。ただ、これは何か違うと思ったので、この考えかたをやめたいと思います。

5年前、染めを始めたばかりのときは「ちょっと両方使ってみて自分に合うほうに決めよう」と思っていました。

しかし最近は、布が草木染めなのか化学染料染めなのか、ということはあまり重要ではないと思うようになってきました。使いようでどちらも良いんだなという感想です。そして草木染めも化学染料も種類が多く、どちらも本当に色々なので一概に言えなさそうなのです。

絞り染めに使う布の繊維の性質によって染まりやすい染料が決まり、布の用途によって堅牢度の優先度合い(=日光・洗濯に対する色の丈夫さの重要性)が決まります。

草木染めなのか、化学染料染めなのかということにこだわらず、まずは繊維を知り、布の特徴をおさえることを大事に染めていきたいと思います。

 

やめたいことその2 「試作マインド」

絞りの工程の修行はしていますが、染色は初心者からずっと独学です(稀に単発で習いに行ったり指導を受けたりしています)。新しいものをデザインすると1度や2度は、最も安い布で染めて試作して様子をみています。

今まではどんなに安い素材での試作でもかなり一生懸命やれました。

でも、絞りの精度が上がり、染色の様子がわかってくると早くも「試作だから」という甘えが出てきたなというのが最近の反省です。

絞りに時間がかかるので染色の回数はそんなに多く出来ないので、染色の機会は一回一回、とても貴重な時間なのだと身にしみました。いつも本番と思って染めるようにしたいです。

それで結果的にどこか上手くいかなくても、もう一回チャレンジすればいいわけです。

と言いつつも、絞り染めは「偶然性」がいい風にはたらきやすい手法です。

これは試作だ、という気楽な状態で取り組んだことにより、いつもより面白いものができるということもあるのです。逆に様子を見すぎてつまらないものになることも。

何事も決めつけるのは危険ですが、「試作マインド」に溺れすぎず、始めたころの緊張感を大事にしていきたいです。

以上の「やめたいこと」を念頭に冬を迎え、新しい年にどう頑張っていくかイメージを膨らませています。

皆さんも今「やめたいこと」がありますか?どんなお話が聞けるか、興味があります。今度ぜひ教えて下さい。私も「やめたいこと」を無事やめられるでしょうか。それではまた、よい11月を。