令和5年8月25日(金)ブログへの反応、山崎斌

こんにちは。前回の記事に関して染色家のから、共感できたよ!というコメントをいただきました。そういう反応はうれしいですね。私の文章は「染色モヤモヤ」といったような内容だったのですが、似たようなことを感じながらたくさん染めていらっしゃるそうです。そこでつい、染色に関する質問をその方にたくさんしてしまいました。

で、とても丁寧にお答えをいただきまして、その内容は私のノートに書いておいてここには書きませんが、いやー!とても楽しかったです、普段なかなか聞けないので。ありがとうございました。その気持ちを大事に寝かせているところです。

 

今日はあとはもう、ダラダラとした付け加えを書いてみます。ちょっと、これまでの考え方を変えて見たくなったという、そのことだけ書いておきますね。

私は布を縫い絞りするので、自分で染色をする必要があって学んでいくうちにもっと続けたくなったというタイプです。4年前くらいから染色を天然染料を用いる「草木染め」と化学(合成)染料を用いる「化学染め」の2つに分けて考えていました。2つは当然完全に分別するべき、それぞれ対等なもの、というイメージでした。

でもそれ、ちょっと、違う気がします。江戸時代、それまでももちろんずっと、世界中共通して天然染料による染め物しかなかったという状況でした。100%そうでした。しかし、命を救うのに重要な薬の研究をしていた科学者の偶然の発見から「モーヴ」という紫色が生まれたのが化学染料の始まりです。

そこから、天然染料の研究を科学者がして、草木染めのメカニズムが科学的にわかっていき、色々あり(←端折ってますすいません)今の何百〜何千色という大量の色数が生まれたので、何が言いたいのかというと、化学染めというのは草木染めをよく調べて作られていったものだということです。

もう1つのポイントはですね、化学染めに対して「草木染め」(正しくは「草木染」?)というネーミングは、化学染料が広まるなか、天然染料による染め物が今後も認められるように山崎斌(やまざき あきら)という文学をやっていた人がふるさとの染織を守ることを目的としてつけた名前です。その息子の山崎青樹は天然染料の染色のやり方を細かく本に書きながら日本の古代の色を復元研究及び、型染めの制作をした人です。私もその本を参考にして染色しています。

「草木染め」とはもともと、小説など文章表現をしていた人の名付けた、文学の力のある名前だと思います。これから山崎斌さんの古い本を読むつもりです。どのような言葉を他に語っていたのか。

化学染め、草木染め、という、2つのものを対立させるというのはちょっと違うんではないか。「草木染」は当初商標登録されていて(現在は解除)それと区別するためだけの「化学染め」という名前なのだし。

そんな感じで、私は、4年前くらいからの考えの切り口がどうもしっくりこないのだと気づいてきました。私は世の中の価値観を素直に吸収し過ぎなのか、実際に染め物をやるのだからもっと、なんというか好きに、自分で調べたり作ったりすればいいじゃん。そうだそうだ。

……という結論だかなんだかわからない終わりになりましたが、化学染料と天然染料、染色に伝わる知恵、科学的メカニズムなどに関してはまた、時々ここに書きに来ますね。

今日はここまでです。お読み頂きありがとうございました。

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令和5年8月13日(日)「天然か化学か」を1回ぶん投げたい - しぼりぞめこの制作日記