【雑談】どこまで気にする?堅牢度

こんにちは。今日は雑談をします。
いつも雑談っぽいブログでは?と思った人は、よく読んでくれててありがと!

これまでずっと、色持ちの良い染め物を心がけてきました。
色を持たせるためには、使用する染料をどれにするかということや、染め方の工夫を考えて染色を行うことが必要です。

今思っていることを、雑談的にお話します。


そろそろ、絞りに色を染めるようになって6年になります。
あまり染められなかった期間もあるとはいえ、6年も染めています。
タイトルの「堅牢度(ケンロウド)」って何かというと、染色の丈夫さの度合いです。
(正確には「染色堅牢度」)

衣服の色が「褪せる」ということはよく聞きますよね。
衣服だけではなく、いろんなものが色褪せます。交通標識の色なども、長いうちには色褪せますね。
布の場合は、日光、洗濯、汗、などの要因で色褪せや変色、移染(色移り)が起こります。

他の衣服に色移りは一番嫌なので、すべての絞り染めをソーピング(洗剤で煮る)や念入りな洗いにかけて仕上げて移染のないように仕上げています。



私は絞り染めを、主に化学染料を使って染めていまして。
それは、振り返れば、染色を始めたころに草木染めの色がすぐ変わってしまうのが嫌だったからなんですよね。

化学染料の中でも、一番堅牢度の高い「スレン染料」を使っています。
何度も洗濯しても、あまり色が変わりません。
何年もヘビーに使用すれば少しは薄くなりますが、ちゃんと気にしていなければあまり気づかないほどです。
そのかわり、染色手順や色合わせが難しかったりします。

それから、色がのっぺりしがちなので、絞りの魅力が出るような透明感を作る配合を自由に研究しながら染めています。
だいぶ過去にですが、使っている染料について書いた記事をリンクしておきます。
shiborizomeko.hateblo.jp




「染めた色が薄くなるのが、なぜそんなに嫌だったのか?」と考えると
無地じゃないからなんですよね。
無地ではなく、絞りという技法で模様のある布を染めています。

無地に染めるなら色が薄くなったら染め直せばいいのですが、
模様を染めているので、また同じ絞りを施すのは無理があって。

染め直すには全体に色をかけることになると思うのですが、
そうすると全く違うものになるじゃないですか。

自分が模様に合う色で染めたと思っているので、それがどうしても嫌なんですよね。
「やだやだ!気に入ってるのに、変わるのはいやだ!」と思ってしまっています。
私は変化が、怖いんだなあ…。



「使う人にとって、堅牢度は大事だ」と主張しながら、実際はそういったエゴからなんだよな、と気づきました。

いえ、もちろん染め物にとって、堅牢度は大事ですよ。
現に、布地の染色に一定の堅牢度がなければ、一般のアパレル製品は出回ることができないほどです。

現代の染色の世界では、堅牢度は常識なんだなあと感じます。



でも、、、なんだか、堅牢度だけでは満足できなくなってきました。
草木染めをやっていると、時折、すごく透明感を感じる、良い感じの色合いが染まることがあって。
化学染料ではなかなかでない雰囲気なんですよね。

万葉集なんかを読んでいると、色あせしやすい染料のことも、堅牢な染料のことも、両方楽しんでいたような感じが読み取れます。
なんかいいな~と思います。
そのうちもう少し詳しく読んで、ここで紹介したいです。


草木染めでも、なるべく堅牢にするやり方はあるようです。
方法はいろいろとあるなかで、最も有効な手段は「堅牢な染料の色味に限定する」「何度も重ねる」「染めたら使わずに何年も放置することにより空気酸化させる(枯らす)」あたりのようですよ。
私の短い経験とか、聞いた話とかを総合すると。

うーん、なかなかに手間がかかるし、自由度が低いですね。



私はこれからも、洗濯を頻繁にするハンカチや風呂敷はとくに、堅牢度を気にして染めていくでしょう。
しかしながら、堅牢度から、ほんの少し自由になりたい。

「堅牢度を高くしてください」と誰かから頼まれたわけではないのだから。
いや、仮に頼まれたとしたって、

もっと素直に色の魅力と戯れてもいいんだと思うんですよ、私よ。