令和4年11月23日(水)布を見てもらってきた

自作したしぼり染めが、すこしずつではあるけれど溜まってきた。最初に自分の布を染めて大きな透明な衣装ケースに保管し始めたのが4年前で、それが今は半分くらい埋まっている状態になった。自分や子どもが使っている布もある。学校にかよっているわけではないので、日常的に布を見てくれる人はそんなにいなかった。そして、布はあまりにも身近な存在ゆえに、かなり好きな人でもないかぎり注視されず見過ごされる。しかしそんな布だからこそ、包む、掛ける、仕切る、まとうなど様々な用途がうまれる。物や人を引き立て、慰め、寄り添うようないつだってサブの存在であり涙を拭くことだってできる。「なくてはならない」ということと「ありふれる」ということは表裏一体なのかもしれない。そういえば表も裏も同じくらい人目に付くという意味でも、あらゆる人工物のなかで布は特別な存在だと感じていた。(紙は近いけれども紙は意外に裏面を見ない)

最近、布を愛好する友達ができた。近くに住んでおり、前に仕事の付き合いもあったので気心が知れている。箱に溜まった布を机にひろげ、じっと眺めたり触れたりしてもらった。布はその人の触れるように動き、表情を変える。私も見たことの無い角度があったような気がして面白い体験だ。布を実際に見てもらうことがこんなにも楽しいのだと発見できたし、友達の布コレクションも見せてもらって良い布を吸収してきた。