令和4年9月9日(金)染みる(染まる)こと 落ちること 乾くこと

今日は、織りの話から始める。日本手ぬぐいの生地に使われるさらし木綿が好きである。さらっと清潔に使えて気持ちがいい。文(ぶん)という規格のものは20番の糸で織られている。

この生地は色素の吸着が早いのだろうか、とても染まりやすい。今日はもう結論を先に言うけれど、染まりやすい布は同じだけ落ちやすい。染まりやすい布は吸収が早く、水分の蒸発も早いから、乾きやすい。

なかなか落ちないシミというものがある。頑固な汚れと呼ばれるやつである。あれは汚れだけれど良く染まっているのだなぁと、染色をやるまでは思わなかったことを思う。シミが落ちやすいかどうかは、シミの色の素と布の織りの細かさとの関係と、落とそうとするタイミングの速さで決まる。染める色とシミの色との違いは、求めるか求めないかの違いしかない。

「しみじみ」という言葉は「染み染み」と書くらしい。「しみじみする」というあの独特な感じは、ゆっくり自分がその情景なり感情なりに染まってゆき、いつまでも忘れにくいような気がする。