令和4年7月20日(水)お代を頂き、岸を離れる

先日から過去に染めた絞りの布を栞にしていた、その後日談。なかなか良い感じに出来たのでSNSで「欲しい方がいらっしゃったら、また作ります」と募集をしてみたら、ひとりの女性から「欲しいです」とメッセージをいただいた。きれいなものを愛する読書家のすてきな方。個人的にやり取りをして、作った5枚のなかから2枚をお選び頂いた。準備が整っていない中、信頼できる方に初めて絞り染めにお代金を頂いたのは大変ありがたかったし温かい気持ちがした。幸運だった。

絞り手として励んでいたころに絞り作業のお給金を初めて頂いたとき、これまで接岸していた船がみずうみへと動き出した感じがした。海でも川でもないのは塩水があまり得意ではなく、川は流されるしかなさそうだからだ。絞りだけでなく染めも始めて、ながらく接岸していた船を、また、漕ぎ出したような感じだ。今は離れたばかりの岸を眺めて静かに浮かんでいて、不安が心地よいような不思議な気持ちがしている。

 

〈お知らせ〉

今、まだ栞が数枚あるので、ご興味のある方にはその画像をお送りできます。ブログコメント欄か、SNSのメッセージなどで個人的にご連絡を下さい。これからも時々、栞を制作した際にはブログにてお知らせいたします。季節のはじまりに合わせて草木染の栞を制作できたりしたら、よいかなあと考えています。