秋も深まりました。今回は「やり始める」ことではなく「少しずつやめていく」ことについて書きます。 やめたいことその1 天然染料VS化学染料という対立
こんにちは。自分でも思いもよらなかったことに今回は小説を書きました。絵絣(えがすり)と文学の関係について著された「織物の文様と文学 絵絣からタペストリーまで」(星野美恵子著)を読んだ感想を書こう、と思ったらどうしても小説になりましたのでここ…
今日は雑談なので、いつもよりもさらにたいしたことをかけませんが、それでよろしかったら、せっかくなので寄ってってください。 秋になって、なんだかホッとして疲れがでたと思ったら、ネット上で変な人に絡まれてしまいました。あっこの人は様子がおかしい…
誰でも「絞り染め」という言葉を聞けば詳しいことは知らなくても大体何のことかがわかるだろうと思っているから、そのように呼んでいる。しかし私は絞りの「絞」の字を好まないので意味が通じると思われる場合だけ「しぼり染」と表記したりする。 大正から昭…
どこかにやわらかさや優しさのあるものを作りたいと私は思っているらしい。自分のことなのに「らしい」と書いたのは、もともとそんな発想を自覚した経験がなかったからだ。じゃあ最近は何故そのように思っているのかということを考えながら今回は書いてみた…
大きな布が染められるようになってきました。どんな布をどう絞ったらどう染まるか試すときは小さい(45センチくらいまでの)布にします。だから、染色に慣れてきたら大きな布を染めたかったんです。 絞る布が大きくなると、染めたあとの糸を解く行為が更に楽…
こんにちは。今日は木綿についての個人的な思いを書きます。もともと手ぬぐいが大好きなので肌触りのよい晒(さらし)木綿を選び、絞り染めに使っております。 肌寒い季節になってきました。小さな子供の首に巻いていた絞りの手ぬぐいを取ってひとりでゆっく…
染めた布を仕上げるときに、余分な染料を落とすために水洗いをします。藍染めの場合は下染めのアクで濁っていた色が落ちて「垢抜ける」といわれます。 数年前の、染色ド初心者の時はそんなことを考える余裕もありませんでしたが、ちょっとだけ上手くなると、…
「伝統」っていったい何なのだろう???ということがしばらく前になぜかとても気になっていました。なんだか大層な話っぽすぎてどうしようかな〜という気もしますが、自分が思っていたことと、それから、見つけた言葉を今日は書いてみます。 「絞り染めです…
こんにちは。前回の黒豆と錆び釘のお話の続きです。草木染めの染色における、媒染とは何でしょうか。染料の色素をよく発色させるためと、煮出した色素と布の繊維分子とをしっかり結合させるためなんですって。 大まかな説明はそれで済んでしまいますが実感と…
最近、草木染めをやっていないのです。化学染料の色作り研究をしていて染色がまあまあコンスタントに出来ているので、当面はそれでもいいのですが、草木染めの本を読んだりしながら、時々考えてはいるのです。 草木染めでは染料の他に媒染剤を使います。はじ…
少しでも絞り布を外に出すことを心がけている。布を外に出すとはなんだろうか。私の絞りの布に誰かが出会ってくれるということだ。 布は他の工芸品よりも、いつの間にか人の目に触れるという特徴があると思う。建築とかと似てる気がする。自然と包まれ、目に…
こんにちは。前回の記事に関して染色家のから、共感できたよ!というコメントをいただきました。そういう反応はうれしいですね。私の文章は「染色モヤモヤ」といったような内容だったのですが、似たようなことを感じながらたくさん染めていらっしゃるそうで…
こんにちは。暑いですね。いかがお過ごしですか。はじめから言っておくのですが、今日は疑問の解けないまま終わります。 材料が天然のものか化学のものか。染色を語るのに何故そういう比較のしかたが多いのだろうか。と言ってる私も例外ではなくて、天然染料…
暑くて仕方ない時期だけど、お盆休みの前には…と染色をした。これなら実際に使いたいなという模様は、大きな布で絞るようになってきた。まずはひとつ絞り上がった「滝縞模様」を染めていた。 1年前こんな文章を書いていた。令和4年6月17日(金)大きい布 - …
こんにちは。「色」という言葉が気になっています。色という日本語はどうやって出来たのか?ということを考えてみます。辞書をひいてみると、色という単語がつく言葉が多いです。色合い、色遊び、色々、色香、色敵、色硝子…色が頭につくのだけで150語以上も…
染色を始めてからもうそろそろ5年になる、絞りを自分で染めるなら天然染料と化学染料のどちらがいいのかというのを、作りながら使いながら、その色の違いについてぐずぐずと考えてきた。 作るものが何なのかによって用途を考え、同じ染料でも選んだ布の素材…
悩みがある。無地の染め物を一度もしたことがない。絞りを自分で染めて行こうと思って染色を独学し始めた5年前から、どんな小さくても必ず絞ってから染めるのだと決めた。とにかく模様を作りたかったし、どんな模様かによって色の良し悪しがわかるだろうと思…
7月のどっしりと重たい湿気が子供を病院に連れていく予定で余計重たく感じ「今日は麻のブラウスを着ていこう」と思った。引き出しから取り出そうとするとひやりと冷たい。あっと思って木綿スカートと比べて触ると、そっちは今の気温をそのまま吸い込んだよう…
「ストライプ/ボーダーは現代の私たちの衣服や暮らしで馴染み深い模様。それを絞り染めで作ったら楽しいかも」という単純な考えから、縞模様をデザインするようになった。縫い絞りの図案には幾何学模様と動植物の自然を取り入れた模様の両方あり、小紋や絵…
梅雨ですが暑いですね〜、偶には画像付きでいってみます。これは初めて仕立ててみたコースターです。 先月、近所のブックカフェでグッタリしていた時「次のイベントに絞り染めの商品を出してみない?」とお声掛け頂きました。(※予定が合わなかったため参加…
日本の絞り染めの歴史を理解する中で、辻が花は避けて通れそうにありません。でも辻が花は「幻の染め物」と言われていて、その布は謎に包まれているということです。 針と糸を使う「縫い絞り」による絞り染めを私もやっています。安土桃山時代のものとはだい…
こんにちは。このブログの記事カテゴリーは現在6個です。個数減りました。 若干、構成を変更しました。絞り染めをしていくうちに布の素材について興味が広がってきたので、新しく「繊維と手入れ」というカテゴリを作りました。 それから、あまりうまく使え…
辻が花には謎が多い。一応、現代の作品の実物を見たことはある。でも本当に美しい辻が花をいまだ目にしたことはなかった。だから辻が花の魅力というものもよくわからないままだ。3年ほど前に古本屋で見つけた、日光で色褪せた表紙の辻が花の染色の美術本には…
この頃、絞りを染める色をどんな感じで決めているのか?ということについて書いてみよう。 この辺もすっかり初夏に染まった。紫陽花の蕾が次々と開くのを子供を連れて歩きながら眺めている。今年の真冬頃、絞りをどんな色に染めるのか思いつこうとして、うっ…
こんにちは。6月が来て、後ひと月経てばもう今年半分終わるんだなあと思って2023年のブログをぱあっと振り返ってきて、今日はちょっとラフに、まあ、ダラダラとした文を書いてみますのでどうか力を抜いてお読み下さい。 年始に藍染め師さんと染色のお話をし…
あし。足。あなたはこの言葉から何を思い浮かべますか。 絞り染めには「足」があるということを今年知りました。正確にいうと絞り染めに「足」と呼ばれる要素があるということを知った、ということなんですが。それを今日は説明してみますね。 私は絞り染め…
イギリスの絞り染め作家/研究家であるジェーン・カレンダー氏は日本の絞り技法を学び、技法を組み合わせて独自の世界を表現しています。作品集のような研究書のような「stitched shibori」(※フランス語版は「nui shibori」)を購入し本を開いたとき、日本の…
こんにちは。今日はブログに関する振り返り記事です。 このブログは、絞り染めの制作について記録するために4年半くらい前に作りました。でも絞るのに時間がかかるし、染めるのも失敗が多くてうまく書けないという理由から、ある程度長期間の報告をまとめて…
布に描いた輪郭の線の上を、細かいときは1ミリの針目で縫い、その縫った糸を引いて絞っています。それを染めると絞り染めの模様ができます。「大量生産の機械プリントや、一度に何枚も染められる方法があるのに、何故そんなに面倒くさいことをやってまで絞り…