令和5年5月9日(火)縫い絞りは面倒くさいか?

布に描いた輪郭の線の上を、細かいときは1ミリの針目で縫い、その縫った糸を引いて絞っています。それを染めると絞り染めの模様ができます。「大量生産の機械プリントや、一度に何枚も染められる方法があるのに、何故そんなに面倒くさいことをやってまで絞り…

令和5年5月2日(火)絞り咲きの花

「絞り」というワードを見かけると、つい反応して目が覚めてしまう。北東北のわりに今年は春が早かったから、4月からもう次々と色んな花が咲き世界が華やかになり、花のことを考える時間が増えた。 しばらく前に「絞り咲き」と聞いて、ああ花のことねと気づ…

令和5年4月27日(木)さらし考 〜晒とは何か〜【後編】

こんにちは。前前前回の記事の続きです。微妙な間があきました。 前半の記事では「晒す」という言葉の意味を自分が知っている範囲で書いたりしていて、大まかな内容は2つ。1つめは「晒とは布そのものではなく、作られる際の工程を呼び名にしたものである」と…

令和5年4月17日(月)「手ぬぐいとは何か?」という話を手ぬぐいが好きな人へ向けて書いてみる

こんにちは、しぼりぞめこといいます。ハンカチ、手ぬぐい、ロング手ぬぐい、などを絞り染めして使っています。風呂敷も染め始めました。どれも四角い布ですが、今回の文章はそれらを代表して、手ぬぐいのお話です。2つ前の記事で「さらし考」という前編記事…

令和5年4月15日(土)入院するときに布をたくさん持って行った

昨日から入院しています。と言っても2歳児の検査のための付添で5日間だけです。夜間は消灯されてしまうために制作できる時間がありません。せめて普段よりもじっくりと布に囲まれてどんなことを感じるか過ごしてみようと思います。布を使ってみるのはいつで…

令和5年4月5日(水)さらし考〜晒とは何か〜【前編】

さらしって何かわかりますか?日本人ならば常識ですか。包丁一本さらしに巻いたことはないけれど、子供を産むときに腹帯を巻いたことは一度だけありますね。と言っても昔の巻き方がよくわかんないし、つわりや息苦しさがあったので、ほぼ当てただけでもうOK…

令和5年3月31日(金)今年3ヶ月のまとめ、そして針の管理に困っている

3月末日です。年度末でもあるので、軽く振り返りをしようと思います。今年1月から3月までのことを少しお話します。 今は主に、絞り染めの実用的なものを作っています。実用的なものを作ることで、生活の中でも無理がなく絞りの魅力に触れることのできるプロ…

令和5年3月20日(月)布を知りたくて、糸を解した話【後半】

前回の続きです。染色を4年続けてみて、染める布(繊維の種類、織り方など)によって染まり具合や何やかやが、色々違うなあと感じて。それで、身近なところで出来る範囲で布の勉強をはじめようと思った…という話を書きました。 あとは本当にタイトル通りなんで…

令和5年3月16日(木)布を知りたくて、糸を解した話【前半】

繊維の性質によってそれぞれ合う染料が違うし、布の種類によってしぼりの染まり具合も変わってくるんだな〜!と、ちょうど4年間染めてみて、実感しています。 染色の基本的な知識が全くないところからのスタートから、ようやく繊維の勉強が必要だと思い至り…

令和5年3月6日(月)眼を染める

3月になりましたが、まだ寒いこのあたりでは梅も咲きません。4月のお花見が待ち遠しい。 最近は、毎月、絞りを一度は染色するという目標を達成できるようになりました。ちょうど一年前お米を研ぐことができなくなった時期がありましたが回復し、染色もできる…

令和5年2月27日(月)なぜブログを書くのか

誰かに手紙を書くようにブログを書いている。SNSでは不特定多数に向けて書く意識がどうしても強くなるのだけど、それは何故なのかと考えた。SNSは相互的なのでリツイート、リプライなどをされる可能性がある。もともと人はやり取りがしたい生き物なので、自…

令和5年2月25日(土)寝て起きたような染め色

最近、自作の草木染めの布の色がきれいに経年変化したのでとても驚きました。それは3年前に茜で染めた桃色の木綿のしぼりの布です。毎年春だけ壁に飾り、またしばらくの間箱にしまってありました。染めて水通ししたあとは洗濯をしていません。 去年の春に出…

令和5年2月20日(月)自分の手で染めたいと思うようになった

早いもので、もう2月も終わりに近づいてきています。今日は自分の変化について書きます。年が明けてすぐに、近くの藍染め師の人とじっくり話す機会がありました。といっても相手は新しい藍瓶の仕込み中で、藍染めの材料であるスクモを灰汁と混ぜたものをひた…

令和5年2月14日(火)新しい花を探し、古い糸を使う

針と糸を使って絞り模様を作っています。模様の輪郭をひとつひとつ手縫いして、その糸をギュッと引いて玉留めをしてから染液で染めます。絞ることで布に残る糸はかなり短くなりますが、余ったほうの糸はたいてい次の絞りに利用します。絞り修行のときや、絞…

令和5年2月13日(月)針が足りない

数ヶ月前に針を4ダース買った。48本。縫い絞りにはCloverの縫い針の「溝大くけ」を使っていて、それがダース単位で売っている。材料はネット通販も多く利用しているが、それは近くの手芸屋で購入した。在庫がたりないのでおじさんが注文してくれたのだけど(…

令和5年2月11日(土)【光について】実際の商品と、色味が異なる場合がございます

「商品写真はできる限り実物の色に近づけるよう努力しておりますが、 お使いのモニター設定、お部屋の照明等により実際の商品と色味が異なる場合がございます。」ネットで買い物をするとき、こういう文章をよく見かけるんですね。確かに届いた実物を見て色の…

令和5年2月5日(日)色の話はいったん止めて光の話をしましょう

染め色について考えてて、ブログに書いたりしていますが疲れました。そういえば好きな色は何か、って聞かれると昔から答えに詰まっていました。好きな色は何かと聞かれてすぐに答えられますか?例えば紫が好きだとして、青っぽくて濃い紫と、ピンクっぽい薄…

令和5年2月3日(白い)布はともだち

2月の冬の底です。久しぶりにシャキっと早朝に目が覚めたのは春に近づいている証拠。 先月末日、駆け込むようにしぼりを染めました。一度の染色で、日光や洗濯に対し色持ち良く染められる化学染料を使いました。染めるときは厳正な手順が決まっているのでそ…

令和5年1月26日(木)色に関しての引用③〈柳宗悦〉

これまで読んだ資料の中から、色についての文章を選び紹介するシリーズの3回目です。前回は昨年9月29日でした。久しぶりです。今回引用するのは柳宗悦の「手仕事の日本」という本からです。 私が絞りを習い、自分で染めるようになった4年前頃に初めて読んで…

令和5年1月19日(木)作り手とはなにかということを、電話で

「こんにちはー。しぼりぞめこです。去年は大変お世話になりまして。お元気でしたでしょうか。お正月もすっかり済んで…そうなんですね。私はお正月は2年ぶりに、実家でした。普段テレビはですね、幼児に独占されててなかなか見れないんですけども、朝はちょ…

令和5年1月17日(火)研究して作ると、声になる

近くに工房を構える藍染め作家さんのとこへ年始早々会いに行った。一度ここの藍で自作のしぼりを染めさせてもらったことがある。 この4年ほどで溜まった試作を見てもらってなにかアドバイスを聞き出そうと考えていた。染めるときの布素材と色材について、つ…

令和5年1月3日(火)色と光と空間ーー新年おめでとうございます

今年はどんな色に染めよう〜などと私は考えかけて、すぐに思考が止まった。 去年と今年のどこが変わるのかと思うと、意識的に変えられるのはどちらかというと多分模様のほうで、色はあまりコントロールできないと思っている。だいたいのものには色とかたちが…

令和4年12月11日(日)橋本治でハッとしたという話

絞りを習い始めたばかりのころのお話です。早く出来るようになりたくて、絞りの糸を何回くらい巻くといい絞りになるのか?絞り上げる糸の強さはどれくらいがいいのか?とたくさん質問をしました。音楽のボリュームを変えるつまみのように、自分の絞りの調子…

令和4年12月10日(土)糸を探す

絞りに使う糸を探している。 絞るときは糸を強く引っ張るために力がかかる。強度が必要だから絞り専用の糸が存在しており染色材料の専門店で買える。私は絞り専用の糸はいまのところ使っていない。修行していたときは糸と布だけは支給されていたのでそのとき…

【2022年ありがとうございました】布をつかう、つかうことは、つくること

もうひと月もしないうち、今年の1年が終わります。皆さんにとってはどんな年でしたでしょうか? 今年の夏くらいから短い文章を月数回アップしていました。もともとは制作した感想をまとめる長文ブログでした。短い日記のような文章は「書くと元気になる」と…

令和4年12月6日(火)ギャザーを寄せる

絞りを習ったころによく言われたのが「ギャザーを寄せる」ということで、糸で縫った布をさあ絞り上げるぞという前に、ギャザーを寄せておく。それがどの技法でも私の絞りの必須の作業になっている。 布を縫って糸を縮めると、とても綺麗な布の形ができる。ギ…

令和4年12月2日(金)布は包む、布は育てる

布について思いをめぐらせる。布というのは不思議な存在感で、雨に濡れた道路に落として踏まれて一旦気付かれないほどになったとしても、その気になって洗って乾かせばよみがえってまた使える。布は水を通し、風を通す。ガラス板はそれらを通さない。 布はあ…

令和4年11月30日(水)おしえて辻が花

辻が花染めは私にとって縁遠いものだと思っていたのだけど、染色を(とくにその歴史についてを)勉強したい気持ちがあるために無視は出来ない。辻が花染めは「幻の染め」とも呼ばれるほど、今ではほんの一部をのぞいては作られていないようだ。そもそも日本…

令和4年11月27日(日)絞りはウエット

絞り染めは最古の染色技法のひとつで、江戸時代に友禅染めが発明されるまでは、ちょっと信じられないことですが、後染めである模様染めの一番よい作り方が絞り染めだったんです。そしてだいたい同じ頃に注染(※手ぬぐいの効率的な染め方で現在は伝統工芸とし…

令和4年11月25日(金)継続記事の続きを書きたい

先に結論を言うと「継続記事の続きを書きたい。下書きは一通りしているけど、加筆にもう少し時間がかかる」というお話です。今日はもう、これ以上の内容はありません。すみません。 このブログは絞りを始めて1年間程が経ち、絞りと染めのモチベーションを下…