令和5年4月15日(土)入院するときに布をたくさん持って行った

昨日から入院しています。と言っても2歳児の検査のための付添で5日間だけです。夜間は消灯されてしまうために制作できる時間がありません。せめて普段よりもじっくりと布に囲まれてどんなことを感じるか過ごしてみようと思います。布を使ってみるのはいつでもできますが、普段と違う物の配置やスケジュールなど生活の勝手の違うところでは、いつもと違う感想が生まれそうです。自分で染めた布だけだと落ち着かないので、三分の一ほど市販のものも組み合わせました。

【入院荷物に入れた(服以外の)布】

  • さらし木綿のハンカチ×5枚
  • 手ぬぐい※一般的なサイズのもの×4枚
  • 手ぬぐい※170センチの長尺×1枚
  • 木綿の小風呂敷×1枚
  • 綿ジャージの薄手ストール(70センチ×150センチ)×1枚

ほとんどがさらし木綿の素材です。薄くて軽くてかさばらず、乾きやすいです。バスタオルやフェイスタオルは病院からレンタルしたのでちょっと多いかな〜?と思ってました。丸一日たってみて大まかな感想としては、もっとあってもいい。昨日入院した部屋に急いで物品配置をしたのですが、子供が2歳になり、お昼寝の時間が減ってきていてなかなか忙しいです。なので、新生児の頃みたいに必要なものはすぐに使えるようにその辺に出しておくのが良いと判断。オムツも着替えも結局、子供が寝るベッドの足元らへんに重ねておくのがベスト。でもそうすると回診のときや周りのお母さん方に見られたときにズボラ感があって気まずいんですよね。そこで小風呂敷を目隠しに使うと、とても良かったです。染め布が乗っかってるだけでスッキリしますし、どことなく和やかないい感じです。この間50センチ角の小風呂敷を初めて絞り染めしたものを持ってきたのですが、もっと大きな風呂敷にすれば良かったな〜と思いました。

さらし木綿の小さなハンカチは食事やお菓子に敷いたり、おもちゃのお食事セットをお弁当のように包んで遊んだり。その後は手を拭いたりして、汚れたら洗濯します。手ぬぐいは病院の枕に簡易的なカバーとして使うとなんだか落ち着きました。家の枕にも時々使ってます。絞りの模様が細かく這入った手ぬぐいは注染よりもふんわりして柔らかいです。あと、今回は170センチもある縞模様の絞りのロング手ぬぐいを使ってみましたがかなり良かったです。手ぬぐいというか、「拭けるストール」という感じになり、ちょっと汗ばんだ時に便利です。暑ければ肩から掛けておいて、あとで体が冷えそうになったら首元にぐるぐる巻けば風邪予防になります。普通の手ぬぐいも首に巻けないことはないですがちょっと短くて農作業的な雰囲気になってしまい(※ならない人もいると思います)、たっぷり長いとストールみたいに見えます。

木綿は柔らかくて空気の通りも良いので寝るときにも使えます。首に巻きつつ周りが明るくて眩しいときは顔にサラッとかけてアイマスクを兼ねます。汚れたら院内のランドリーでガーッとすればOKです。

大きな綿ジャージのストールはトロンとした肌触りで伸縮性もあり、他の手ぬぐいなどと違う感じが良かったです。これも、薄くて軽くてかさばらない感じです。

使い道がなくなってもベッドや点滴スタンドなんかにかけておくだけで自分の空間になります。仮の自分の部屋って感じでしょうか。インドの人の布の使い方に興味があって本を読むと、祈りの空間を布で作る、ということが書いてあって感心したことを思い出しました。

家で布を使うことと何が違うのか?と考えながら書きましたが、看護師さんや医師の皆さん、同じ病棟の患者関係者など、考えてみれば多くの人目が病院にはあります。そこまで意識することは稀ですが、入院するということは色んな人が何気なく病室という半プライベート空間を目にするという状況です。

誰もこっちのことなんかそんなに見てない、という意見もわかりますし、実際そうだと思います。しかし布の凄いところは、他人に対してはっきり意識させずに「何気なく目にして何らかの印象を与えられる」ところだと思いますし、なによりも自分の気持ちが落ち着けば病棟という空間に余裕や安心感がプラスされるのではないでしょうか。なんとなく安心で安全な空間の雰囲気というのは、そんなことから生まれるように思います。

今年は絞りをなるべく外に出すことを目標のひとつにしています。入院もそのひとつの機会になったような気がしてきました。

あと3日で退院予定ですが、入院の布活用について思いつくまま述べてみました。もしも似たような機会があったら、是非お気に入りの布を持っていってみてください。