令和5年2月3日(白い)布はともだち

2月の冬の底です。久しぶりにシャキっと早朝に目が覚めたのは春に近づいている証拠。

先月末日、駆け込むようにしぼりを染めました。一度の染色で、日光や洗濯に対し色持ち良く染められる化学染料を使いました。染めるときは厳正な手順が決まっているのでその通りに体を動かします。染める日は布地といつもと違う向き合いかたをしてる気がします。染料のもとを還元し、お風呂より少し熱いくらいの染液が完成したら、絞った白い布をそうっと染液につけます。「行くよ」とちいさく声をかけてみました。

絞り模様の試作が進んできたのもあり、今年から少しずつ大きな布を染めることにしました。今回は2mちょっと。(一反には遠いですが、この環境のままで6mくらい行けそうかな)

私は自分の作る模様が良くなればいいなと思いますが、それには、選んだ布の良いところを理解するようにしようと考え始めました。まずは、よく観察するところから。加えてなるべく優しく触る。布を人とも思わないような扱いをしないようにしようと思っています。ただの白い生地ではけっしてないわけで、素材は木綿か麻か絹か。どんな太さの糸でどんな密度で織られ、どんなふうにここに届いてくれたのか。

「絞りは布をいじめ抜く」なんて書かれることもあるほど。確かにチクチクと針で刺しますし、糸で強く絞りあげるのでそう言われちゃっても仕方がないのかもしれません。せめて染めるときくらいは優しく、ドボンとぶち込むなんてせずにね、そうっとしました。