令和5年1月3日(火)色と光と空間ーー新年おめでとうございます

今年はどんな色に染めよう〜などと私は考えかけて、すぐに思考が止まった。

去年と今年のどこが変わるのかと思うと、意識的に変えられるのはどちらかというと多分模様のほうで、色はあまりコントロールできないと思っている。だいたいのものには色とかたちがある。模様はかたちだ。色自体は、なんだかほんとうに掴みどころがない。まっくら闇のなかでは茜の赤色も藍の青色もない。薄明かりがさして初めてようやくどちらがどちらなのか認識できる程度であって、朝の光と夕方の光によっても違った見え方になる。

私たちの暮らしは自然光と室内光のブレンドでできていて、公共の空間でもプライベートな空間でも、そこにある光によってものの色はくるくる変わってしまう。もっと複雑なことに、壁紙の色や布を手にする人の服の色に光が反射するから、その具合でも色は変わる。だから、同じ布を2つに切って持って帰ったりしてもあなたの青と私の青は違ったりする。それはちょっとさびしくもありうれしくもある。いつだってその人だけのブレンド茶のような生活や身心の中にだけ色は在るのだから、みんなの同じ色など存在しないんだと思う。

新年だし個人的な考えを綴るのはこのくらいにしようかとブレーキを踏む。でもひとつ付け加えると、かたちだって考え方によっては曖昧なものかもしれない。かといって何もかも曖昧だとこわくて作る手がかりがないから、やっぱりしぼりの作り出せる模様というものに寄っかかって、掴まって、ゆっくり歩いていく1年にしたいなと思う。

今年もよろしくお願いいたします!