令和3年6月3日(木)

志村ふくみの著作「一色一生」を読んでブログ記事に取り上げたことがある。この間NHKの「ラジオ深夜便」でインタビューが放送されていたのでよろこんで聞いた。志村さんの『ある時、藍染めの瓶の置いてある小屋の屋根に穴があいていて、夜中も藍の建ち方が気にかかって見にいくとそこに月の光が差し込んできて液体の表面がキラキラと輝いて大変綺麗だった…』というエピソードがあった。化学式上は同じであっても、昔ながらの藍の建て方は薬品を使う化学建てとは全く違っていそうだ。陰暦(旧暦)は月の満ち欠けと関連がある。その月の光の体験ののち、満月の日を目指して藍を建てるようになると不思議と藍建てを失敗することがなくなったというお話が彼女の優しくて強い声とともに、心に残っている。