こんにちは、暑くなりましたね。
久しぶりにブログ記事書いたと思ったら「突然何を言い出すんだ、一体どうした」と思われるかもしれないタイトルですみません。
しかし。
わたくし、しぼりぞめこは「絞り染めに選ばれし者」なのです。
今回はそれをご説明しようと思います。
※絞りとは、いまも残る模様染め技法では歴史的に最古です。
世界各地で自然発生し、日本では奈良時代から作られているようです。
わたしは絞り染めをしています。
絞り技法を修行しはじめたのは2017年、染めはじめたのは2018年からです。
絞り染めは美術、工芸、アート…捉え方は人それぞれでしょうけれど、そのあたりの中の1つの表現技法です。
「絞り染め」よりも「しぼり染め」と書くほうが好みなのですが、
文章になった場合にちょっとだけ読みづらくなるので、今日は「絞り染め」と書いてゆきます。
それでは、ここからが「絞り染めに選ばれた」の説明です。
私は、絵を描くことや粘土で何かを作って色を塗ることが好きな子供でした。
それから、編み物をしたり刺繍をしたり
単純作業を繰り返すような手芸も好きでした。
自分の手が動くことで、何かしらの物体が形づくられる。
造形が好きでした。
自分が一番好きそうな工芸の進路を選んだのも束の間、陶芸はろくろが楽しくなくてあきらめ、やりたかったガラス工芸とも体質が合わずでした。
木工はそこらに舞う木屑がゾクゾクして具合が悪くなってしまい、金工は遠くから眺めているぶんには楽しいけど耳のあたりが気持ち悪くなる。
イメージと、体質の乖離。
道を変えようと思いました。
その頃よく観に行っていた舞台空間に夢を感じ、舞台セットや小道具をつくったりしていました。
初めての就職はインテリアデザイナーでした。
それからだいぶ経って、とある地方都市に観光に行ったとき。
たまたま覗いた絞りの着物屋さんで。
染める前の、細かい模様が絞り上げられた白い布を見せて頂きました。
縫い絞りの小さな角がビッシリ並んだ、なんだか奇妙な物体に出会いました。
柔らかいはずの布が、密度を持って硬くなっていました。
それを触らせてもらえたのですが、触り心地がとても気持ちよかったのです。
「私はこれが、好きだなあ。いつか作ってみたいなあ」と感じました。
もちろん、これは絞り染めのプロセスであり完成形ではありません。
しかし「いつか、チャンスがあれば作ってみたい、これを」
薄っすらと、しかしはっきりと思ったことを覚えています。
長くなってきましたので、次回につづきます。
それではまた、お元気で。