眠りの色

いつも色のことを考えてるの、染め仕事をするようになってから特に。意識的に。

今年は例年よりも寒さの進みが早かったので紅葉はいっそう紅かった。存分に眼を染めました。もうそれはそれはいい感じでした。

でもたぶん、今秋は2度ほど突然正面から殴られたような寒さの大きな階段があったように思います。体感ですが。
美が作られるためには、熱い、冷たいというような特定の温度が不可欠なのかもしれません。


そして今、冬の始まりを迎えていますね。初冬の候、いかがお過ごしですか、お元気ですか。
時下などと濁す言い方、しないでくださいよ。早朝からけたたましく道をゆく救急車の緊迫感が夏よりも凄味を感じるのは私だけなのでしょうか。
他力本願だけど頑張って、と白い救急車に願う。私も何かしら頑張るから。


色の話に戻りましょう。
完全なる白とグレイの世界の開始と言いきるにはまだ早く、
紅かった紅葉は渋い枯れ葉色になりました。


空、建物、道路などが先んじてグレイを帯びてきている、それが今の時期だなと思います。
人々の衣服も心なしか落ち着いたトーンが多くなっていて、色は光だから、朝でも色の鮮やかさが出にくいのかな。

流れる川の水も暗みが強まります。
先日小雨が降った朝は、暗い川の流れに水滴が落ち続けるのを、しばらくじっと見ていました。


眠りそうな色になってきたと感じました。空気が。なんだか自然と呼ばれるものが。動物が。思わず生きているこの世界が。私だって、眠りそうな色の光によって他人の眼から見えているに違いないのです。そうでなければ私は存在しないことになりますから。


もうすぐ12月がきます。
本格的にクリスマスの赤と緑の飾り付が堂々と主役を演じる影で、安心にひっそりと眠りにつくような彩りを観察しましょう。
そして私たちも動物もよく眠りましょう。

来月は年末らしく振り返りモードとなる予感。各位よろしくお願いします。

どうぞお体を温めてお元気で。生きていて、また次回。

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